Amazonでの動画広告が出来るまで

弊店の製品 SeekEra タッチペン Stylus The Siren の動画広告が出来上がるまでの事を書こうと思います。

弊店のタッチペンはAmazonはじめヤフーショッピングで販売しております。その中でもAmazonでは動画広告も流しており、その動画広告の作成秘話的な話をしていこうと思います。
CMといってもテレビCMの様に制作会社に依頼したのではなく全て自分たちで制作しました。かかわった人数は私含め3人です。

〇モデル1名、照明その他アシスタント1名、そして全体指揮及びカメラマンが私です。

全体で30秒程の短いCMです。

ひとまず見てみてください。こちらです。

この動画が出来るまでや使用した機材、どれだけの時間で出来たか、苦労話等々を話していこうと思います。

使用機材について

使用した機材、小物等々をお話しします。

〇カメラ　OLYMPUS OM-D E-M10 Mark II　

〇カメラ用三脚

〇iPad第8世代

〇タッチペン　SeekEra Stylus The Siren

〇小物一式　カロリノのバッグ、その他小物諸々。

〇簡易照明

〇大き目の黒い画用紙

動画制作の流れ

本来であれば、PRしたい内容を決めて絵コンテとか作るんでしょうが動画時間の制約があったので、その中に映像を収める必要がありました。

見せたい内容は沢山あるのですが、時間の問題がありどこを切り捨てるかをある程度想定する必要がありました。撮影してからカットする部分を考えるのでも良いのですが、それにしても時間が短いので初めから撮影する内容を限定して構図を考えた事が初めに行った工程です。

先程から時間の制約と言っていますが、Amazon側から時間の制約を言われているわけではありません。2つの理由があり、一つはあまり長いとCMとして良いとは言えないという事。短い時間でもっと見たいなと思わせる映像が作れるのが理想かなと思います。かっこいい事を言えばこういう事なんですが、実際は次の理由が主な理由です。

この映像はアドビのアフターエフェクトというアプリケーションのテンプレートを使用しています。まずどのテンプレートを使用するかを決めそれに合わせ映像を作っていくという事情があった為です。
ちなみにアフターエフェクトですが、以前少し使った事がありますが極めれば凄い事が出来るアプリケーションです。映像の加工ソフトと言えばいいでしょうか？エフェクトは効果という意味なので映像にあとからいろんな効果を加えるソフトって事になり、本格的な映画も出来るようなプロクオリティーのソフトです。アフターエフェクト等のソフトは映画製作にも普通に使われていると思います。映画のワンシーンを考察するような動画見た事ありませんか？あれは合成だったのか？って驚くような事が沢山あります。もう今の技術はどれだけ注意して見てもわからないですねえ。普通に街を人が歩いている映像が、スターウォーズに出てくる様な街で歩いている映像になったりとか。そもそも人も本物かどうか怪しいなとか思ってしまいます。

アフターエフェクトのテンプレートですが、iPadがクルクルとまわっているテンプレートですね！iPadのなかにiPadが出てくるって面白いなと思い採用しました。テンプレート上のiPadの画面に映像を合成しようと思っていました。ipadが回転するので画面が見えている時しか撮影した映像は見えないわけです。しかも何度もクルクルするので映像が細切れになります。それぞれの秒数を考えいくつもの構図を考えるのが結構大変でした。ちなみにiPadの裏側にはしっかりとSeekEraのLOGOを入れてあります。

撮影した場所ですが、マンションの一室を借りて撮影を行いました。スタジオというと大袈裟ですが、こういう撮影をはじめから想定して貸しているマンションがあるんですねぇ！便利なもんです。ユーチューバーが今沢山いるので需要もそれなりにあるのでしょうねぇ。撮影だけじゃなくパーティー会場として使ったりとか色々な用途で使えるみたいです。レンタルスペースとかで検索すると色々と出てくると思うので必要があれば調べてみてください。

私の作りたい映像のイメージにあった真っ白の部屋を見つけたので、そこを借りました。4時間で借りたと思います。時間貸しなのでその時間で撮影を終了させなければなりません。いきなりでは部屋の感じもつかめないので撮影の数日前には下見も行っています。動画では部屋の感じまでは良くわからないでしょうが、良く見ると部屋の壁が見えると思います。真っ白の壁にドアや窓、本棚や食器棚等の絵が描かれているんですよ！ですから絵本の中にいる様な錯覚を覚えました。広告動画を注意してみると壁が少し見えると思います。そんな環境で撮影をスタートさせました。

機材ですが、メインとなるのはカメラでしょうね。オリンパスのミラーレスです。オリンパスですが残念ながら現在はカメラ事業から撤退を発表しました。現在は医療業界に力を入れているみたいですね。内視鏡カメラとかでしょうか？当然いままで培ってきたカメラの技術を活かすんだと思いますが。同じカメラ業界でも富士フイルムは結構前からヘルスケアや化粧品関係に力を入れ今ではその業界でも大手ではないでしょうか？考えてみればフイルムカメラの時代が終わりデジタルカメラが普及し始めた頃から富士フィルムは方針転換してましたねぇ。当時はフィルムメーカーが化粧品かよ！って思ったものですが今では普通ですからね。化粧品のサイトをみるとFUJIFILMって書いてありますから、昔のイメージがあると違和感が…もうその考えも古いのかなぁ？

さてそのカメラですが、レンズにはこだわっていまして M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 を使用しました。ズームレンズではなく単焦点といわれるレンズです。簡単に言えばズーム機能をなくす代わりにレンズとしての機能を追求したモデルと思えばいいかなと思います。17ｍｍと言うのは焦点距離で、広角レンズに含まれるレンズです。とても明るいレンズといわれるレンズで非常に鮮明で鮮やかに映像を映し出す事が可能です。レンズもこだわるとお金がいくらあっても足りません。このレンズだけでもそこそこのカメラが買える値段はします。

単焦点レンズですから、画角を考え三脚をセットします。映像の初めにある様にピントを背景のバッグやiPadに合わせマニュアルでタッチペンにピントを合わせるシーンからスタートします。

結構苦労したのはiPadの画面です。だいたいこういった画面の撮影って難しいです。光が反射したり自分が映ってしまったり色々と工夫が必要なんです。それははじめから想定はしていたもののなかなか難しく、丁度良い角度だったり画面に部屋の光が映らないよう工夫したり（機材欄にある黒い画用紙はその為です）試行錯誤して出来た映像なんです。

とまぁ動画制作のだいたいの流れはこんな感じでしょうか。

さぁ撮影当日

撮影当日は1月末の良く晴れた日でした。撮影スタジオは昼からの予約でしたが、私たちは10時前には行動を開始していました。モデルさんのネイルをやってもらう為、あらかじめ予約していたネイルショップに向かっていました。モデルといってもハンドモデルなのでネイルだけで済みましたが、本当なら衣装やメイク等々もっと時間がかかるんでしょうねぇこれは大変です。

ネイルを済ませてから撮影現場へ行きます。私以外は部屋の様子は初めてなのでだいたいの感じをつかむ為部屋を物色。結局映像として使うのは机の一部だけですけどねぇ。

撮影の為のセットをします。カメラをセットしてから机に小物を配置します。この配置もバランスを考え配置します。撮影する側からすると背景の小物にも実はこだわりがありまして背景の主役は（背景で主役ってもの変ですが…）バッグになります。白地にピンクのアクセントがあるかわいらしいバッグでカロリノというマレーシアのローカルブランドなんです。日本で見かけたことはありません。おそらく普通には売っていないと思います。このバッグはモデルさんの私物を拝借していますがマレーシアから取り寄せたのだとか。このカロリノというブランドですがマレーシア国内でしか売っていないデザインもありそれを手に入れようと思うと現地に行かないと基本的には手に入りません。特殊なルートで手に入れたのだとか。モデルの女性曰くかなりおすすめのブランドなんだとか。国外向けのデザインならネットで手に入ると思います。気になる方はこちらで調べてみてください。

カロリノ公式ページ

https://www.carlorino.net/ge/

撮影を開始するのですが、iPadの反射光をどうやって防ぐかに時間がかかりました。カメラとiPadの角度を考慮し光の入射角を予想しそこに黒い画用紙を配置するのですが、なかなかうまくいきません。大きな黒い布でもあればいいのですが、黒い画用紙で限られた面積しかありません…そこを上手く調整して撮影しました。

映像の冒頭部分からNGの連続です…背景からタッチペンにピントを合わせてからモデルさんがタッチペンの電源を入れるのですが、勢い余ってペンが動いてしまったり電源が上手くはいらなかったり、上手くいったと思ったらペンを落としたりと思う様にはいかないですねぇ、ここだけでNG集が作れますよ！
テレビでNG大賞的な番組がやりますが、まさにあんな感じですわ。

撮影が進み、タッチペンでネット画面をスクロールさせるシーンがありますが、あのスクロールも丁度い所で止めてもらうタイミングが難しく何度もやりましたねぇ。それ以外は比較的すんなり進みましたが、あれだけ撮ったのにカットして使える部分はこれだけかぁと思います。撮影もして編集もする立場の人ならわかると思いますが、全て思い入れのある映像なのでカットするのがもったいないと感じてしまいます。

しかし良い仕事というのは、いかに切り捨てるかにあるといっても良いと思います。なかなか辛い選択ですねぇ、我が子を谷に突き落とすようなものですよ。這い上がって強い子になれ！みたいな。でもそういう事なんです。そうして良い作品が出来るのではないかなぁと思ってます。

あとはBGMもちょうど良いものを選んでますが、BGMに合わせた映像作りといった側面もありまして、こういう映像作品ってBGMに合わせてタイミングを考えるのが普通だと思うんです。BGMのタイミングを変えると違和感だらけですからねぇ、映像を切った貼ったしてBGMに合わせるわけですね！

色々と大変でしたが面白い経験が出来ました。良い作品になったと思っています。