ギタリストにとって良い音とは何か？

 

ギタリストにとって良い音の追求というのは今も昔もかわらず、究極の音を常に探し求めているものです。

 

ただ、ギタリストという人種は良くも悪くも古典的な考え方というものを持っている場合が多いようです。特に音に関して良い音とは何か？を考えるときに顕著に現れるような感じがします。最近はいろいろな技術も相当に進歩し昔のような古典的な考え方を持つ人は少なくなったかもしれませんが、まだまだ根強くそういった考え方があるんじゃないかなと思います。

 

 

ここで言う音とはギターの信号をアンプで増幅しスピーカーから再生される音の事です。

要はエレキギターの音のことですね！

ギターにもデジタル技術があり昔からアナログかデジタルかという論争はあります。古典的な考え方というのはその昔ながらのアナログ至上主義的な考え方ことです。

 

 

ギターの音はどうやって出るのか

 

ここでギターの音について、どうやって出来るのか簡単に触れたいと思います。

 

ギターにはピックアップと言ってマイクに相当するような弦の音を拾う役割をするものがついています。簡単に言えば磁石にコイルを巻いたものです。ギターの弦は金属ですので弦が振動するとその振動をピックアップが拾い微弱な電流に変わるわけです。その信号をケーブルでアンプに送りそのアンプで増幅しスピーカーから音が出るという流れです。

 

 

 

ギターからアンプまでの流れは今も昔もそれほど大きな変化はありません。しかしその先ギターの信号をどう加工し、どう増幅するかに関しては昔とは違い今はいろいろなデジタル技術があり音の作り方は様々です。ここで昔から良いとされてきた音と新しいデジタル技術で作られた音との間に論争が起きるわけです、

 

 

ギターの音というのも色々とあるのですが、論争の的となるのはいわゆるディストーションサウンドと言ってロックギターなどで使用される歪んだ音のことです。ここで歪んだ音、つまりディストーションサウンドについてどういうものか触れる必要があるでしょう。
ギターの信号をそのまま増幅するだけの音をクリーントーンと言ったりしますが、対してディストーションは信号を加工して出力されると思えば良いです。昔は自然に真空管をオーバードライブさせた音しかなかった訳で、その音こそが良い音とされてきたんです。あたたかい音なんて表現されたりもします。しかしその音をデジタル技術を使って作る事が出来るようになり色んな機材が世に出てきたわけですが、その当時はあまり良い音ではありませんでした。人工的に作られた音だとかデジタル臭いなんて表現もされます。ですからギターの音の進化をリアルタイムに体験してきてる人は昔ながらの音が良い音で、デジタル技術で作った音は良くないという信仰が根強くあるんですね。
でも技術は進歩し現代の技術ではどの機材を使っても物凄く良い音でしかも手軽に出せるんです。

だからギターを始めたころから今の優れた技術（モデリング技術ともいわれます）が普通にある環境であれば、アナログやデジタルといった論争になりにくいです。

 

私ぐらいの世代だとデジタル技術はありましたがまだ試行錯誤の段階で、あまり良い音が簡単に出せる時代ではありませんでした。しかし昔ながらの方法で良い音を出そうと思うと何かと大変だったんです。機材は重いので運ぶのが大変だし、かなり大きな音を出さないと良い音が出ない…だから家では音を出せないし…だから妥協して手軽なデジタル機器を使ってたって感じでしょうか。

 

結局良い音とは何か？

 

良い音って人によって違いますしはっきり言って好みです。

数字で表せるものではありません。ギタリストの言う良い音とは、単に良い音とか悪い音とかだけではなく、音の進化の歴史や自分の思い入れなど様々な要素が含まれていそうです。

デジタル技術を使った現代の音はすごく良いものであり、ブラインドテストしたら自然の音かデジタルの音か、なかなか聞き分けるのは難しいんじゃないでしょうか？しかもかなりお手軽な機材でそれを再現できるとなれば使わない手はありません。さすがに今は昔ながらの真空管じゃないと駄目だというようなことを言う人は少なくなってきたと思います。

 

古き良き時代、昔ながらの良い音というのはいいものですが、時代の進化に目を向け新しいものを取り入れるというのも大事なことだなあと思います。